理学療法士として働くサメ

理学療法士として勉強したことをまとめていきたいと思っています!

水分足りてる??IN/OUTバランスについて

#医療 #IN/OUTバランス #理学療法 #リハビリ

 

お疲れ様です!フカヒレです!

 

今日はIN/OUTバランスについてです。

簡単にいうと,体内に入れる水分量と排出される水分量のバランスです。

医療の現場では,計算している場合も多いと思います。

これから暑くなると脱水症になる方も増えてくるので,知っておいて損はないと思います。

リハビリをやる際にもIN/OUTバランスの把握は大切になるので,計算してみましょう。

 

IN/OUTバランスについて

内水分のIN/OUTバランスは,水の摂取量と排泄量が同じ(ゼロバランス)であることで保たれています。
つまり,そのバランスを保つために必要となる最小水分量は,その1日の排泄量を下回らない量ということになりますね。
ただし,体内には細胞がエネルギー代謝などを行う際に生じる代謝水(体重当たり5mL)があるので,その分を差し引かなければならないのが注意点です。

 

したがって,1日の必要水分量を式で表すと,
①尿量 + ②便(100〜200ml) + ③不感蒸泄 - 代謝水=必要な水分量
によって求めることができます。

 

※不感蒸泄は,肺や皮膚から排泄される水分(肺からの呼気に含まれる水蒸気量が約400mL,皮膚から無意識に排泄される(運動時の汗とは異なる)水分量が約500mL。

成人の場合は15 mL×体重kgで求められます。

※1日の尿量はだいたい健康成人で1500ml,高齢者で1200ml程度とのことです。

 

簡易的な計算はこんな感じで出来ます!

 

【1日に必要な飲水量:簡易計算】

必要水分量=実測体重(Kg) × 年齢別必要水分量(ml/kg/日)※

 

※22〜54歳の場合:35ml/kg/日

※55〜64歳の場合:30ml/kg/日

※65歳以上の場合 :25ml/kg/日

 

飲水以外にも,食事からも水分を摂取できます。

その計算はこんな感じ!

 

【食事の水分量:簡易計算】

食事摂取(Kcal)×0.4=食事に含まれる水分量

 

実際に計算してみましょう!

例)84歳,女性,体重45kg,尿量:1300ml,便:1回(普通便),食事(1600kcal)90%摂取。

 

①尿量 ②便(100〜200ml) ③不感蒸泄 代謝必要な水分量

この式に当てはめてみましょう!

 

①約1300ml

②約100~200ml

③約15ml×45kg=675ml

④約5ml×45kg=225ml

 ⇒式に当てはめると...1300100~2006752251850~1950ml

 

これで必要な水分量が求められました!

1850~1950 - 食事に含まれる水分量 = 一日に必要な飲水量

1850~1950 - 1600kcal×0.9(90%)×0.4   = 一日に必要な飲水量

1850~1950 -     576       = 1274~1374ml/日 

 

他にも簡易計算してみると...

必要水分量=実測体重(Kg) × 年齢別必要水分量(ml/kg/日)

45kg × 25ml/kg/日 = 1125ml

 

以上のことからこの患者さんの一日に必要な飲水量は

だいたい 1125~1374ml 位になります!

 

まとめ

年齢を重ねると,だんだんと喉の渇きを感じにくくなったり,トイレが近くなるからと飲水量が少ない患者さんがたくさんいます。

飲水量の計算は簡易的なものでも概ね必要な量は求められそうなのでぜひ計算してみてください!