酸素療法について!低流量(ローフロー)システムと高流量(ハイフロー)システムの違いは??
#酸素療法 #低流量システム #高流量システム #医療 #理学療法 #リハビリ
お疲れ様です!フカヒレです!
今回は酸素療法についてです。
低流量システムと高流量システムの違いについて理解を深めてもらえるといいなと思います。
今回はこの教科書も参考にまとめています。わかりやすい教科書なので,うちの病院でも皆さんお世話になっています!
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酸素投与の方法
吸入酸素濃度に応じて方法と流量を選択します。
低流量システムと高流量システムの2種類があります!
・低流量(ローフロー)システム
患者さんへの酸素供給が酸素供給装置より部分的に行われるもののこと。
簡単に言うと...
供給される酸素の総流量が患者さんが一回で換気する量(一回換気量)より少なく,足りない分は装置以外の外気から取り込むもののことをいいます。
計算してみるとイメージしやすいです...
体重×10mLで一回換気量を求めることができますが,成人ではだいたい500mL程度といわれています。
息を吸うのにかかる時間はだいたい1秒程度です。1分あたりでは,
500mL×60秒=30000mL/分=30L/分となります。
壁から流れる酸素は多くても12~15L/分(分時換気量)程度...
カチカチダイヤルを回したりして12Lの酸素を流しても
30L/min-12L/min=18L/min
この18L/minが外気ということになります。
これが酸素供給が酸素供給装置により部分的に行われているということです。
【種類】
・鼻カヌラ
・リザーバー付き鼻カヌラ(オキシマイザー)
・簡易酸素マスク
・開放型酸素マスク(オープンフェースマスク)
・リザーバー付き酸素マスク など
【メリット】
・鼻カヌラは圧迫感や閉塞感が少なく,会話や食事に適している。
・患者さんが比較的自分自身で扱いやすい。
【デメリット】
・酸素吸入濃度が患者さんの換気量,呼吸パターン,呼吸数に影響を受ける。
⇒酸素をためるところをリザーバーといいますが,鼻腔は人間に備わっている解剖学的リザーバーといわれています。呼吸が速くなり,浅くなると鼻腔(解剖学的リザーバー)にたまる暇がなくなり,FIO2が低下してしまいます。そうすると余計苦しくなり,さらに頻呼吸が助長され低酸素になってしまうということもあります。
逆にゆっくりになるとFIO2が上昇し,呼吸は抑制されます。呼吸が抑制されると,呼吸はさらにゆっくりとなりCO2が貯留しやすくなり,CO2ナルコーシスになってしまうこともあります。極端かもしれませんがこんなイメージを持っておくと,低流量システムがなぜ患者さんの呼吸様式の影響を受けるのかイメージできると思います。
・高流量(ハイフロー)システム
患者さんへの酸素供給が酸素供給装置よりすべて行われるもののこと。
詳しく説明すると...
低流量システムと違い,患者さんが一回で換気する量(一回換気量)よりも多い,30L/分(分時換気量)以上の高流量で酸素と空気の混合ガスを吸入するシステムのことです。低流量システムと違い,患者さんの呼吸状態の影響を受けずに吸入酸素濃度を一定に維持することができます。
【種類】
・ベンチュリ―マスク
・インスピロンネブライザー
・アクアサームネブライザーなど
【メリット】
・呼吸状態の影響を受けずに吸入酸素濃度を一定に保つことができる。
・ベンチュリ―マスクでは,大きな気流量で24~40%の一定濃度の酸素を供給でき,患者さんの呼吸状態に依存せず,CO2の再呼吸もない。
・抜管後の気道乾燥を防ぐために,加温加湿した空気を送ることもできる。
【デメリット】
・音がうるさいものもある。
・器具がごちゃごちゃしているので,うっとうしく感じる方もいる。
・在宅でのハイフローセラピーなどもあるが,高齢の方には低流量システムよりも扱いにくいイメージ。
あんまりデメリットが浮かびません...
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まとめ
低流量システムと高流量システムの違いは酸素供給を患者さんの一回換気量を基準に部分的orすべて行うかで分かれる。
共にメリット,デメリットがあるので,イメージを持ちながら使い分けていただけるといいかなと思います。
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