理学療法士として働くサメ

理学療法士として勉強したことをまとめていきたいと思っています!

最近褥瘡(床ずれ)の患者さんが多い気がする... ポジショニング①

#褥瘡(床ずれ) #ポジショニング #理学療法 #リハビリ

 

お疲れ様です!フカヒレです!

今日から褥瘡(床ずれ)やポジショニングについてもまとめていきたいと思います。

院内での発生もありますが,施設や自宅からの持ち込み褥瘡(床ずれ)も多い印象です。

社会的にも高齢化は進んでおり,老々介護なども問題になってきている中,褥瘡(床ずれ)はさらに増えていく印象があります。

医療者のみならず,自宅で介護をされる方々に見てもらえるといいなと思います。

 

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褥瘡(床ずれ)とは?

日本褥瘡学会は,褥瘡について「身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下,あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる1)」と定義している。

 

分かりやすく言い換えると,寝たきりなどで体に圧がかかった状態が続くと,血流が悪くなり褥瘡(床ずれ)が発生するということ。

 

そのために皆さんは何時間かおきにこんな感じで体位変換をしますよね!

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褥瘡の好発部位は,皮下脂肪組織が少なく,生理的に骨が突出している後頭部,肩甲部,肘頭部,仙骨部,腸骨部,大転子部,坐骨部,踵部などである2)

 

この図のようなところが好発部位なだけであって,姿勢によったり,衣服の皺やスマホなどの物が体とベッドの間に挟まっていたりするとどんなところでも褥瘡(床ずれ)は発生する可能性があります。

そのために体位変換が重要となります。

 

体位変換

では,どのくらいの間隔で体位変換が必要なのか?

よく「2時間毎に」と聞きませんか?

しかし,様々な文献で検討されていますが,実は根拠は明確ではないみたいです...

 

中島らによると,

二層式エアマットレス使用下では同一体位4時間までは褥瘡発生の危険性は少ないことを示した3)

 

日本褥瘡学会学術教育委員会によると,

有効な体位変換間隔の科学的根拠が明らかにされるまで,体位変換が自力でできない患者に対しては褥瘡発生リスクがあるとし,画一的に2時間ごとに体位変換計画するのではなく,他のリスクの有無により体位変換間隔を短縮するなど個別に看護計画を立てることが推奨される4)とのこと。

 

まーその通りですよね...

体格や全身状態なども一人一人違うので,その人に合った個別的なプランの立案が必要になります。

褥瘡って痛いし,治るのにも時間がかかって患者さんにとって本当に苦痛になるものです。忙しいから体位変換できなかった...では済まないものだと思います。

僕ら理学療法士が介入できる時間,回数も限られているのでチームで協力しながら患者さんの支援をしていくことが一番大切です。

そのために,もっと勉強していきます。

 

では,また👋

 

【参考・引用文献,サイト】

1)厚生労働省委託事業 公益財団法人日本医療機能評価機構(旧版)褥瘡予防・管理ガイドライン | Mindsガイドラインライブラリ (jcqhc.or.jp)

 

2)厚生労働省委託事業 公益財団法人日本医療機能評価機構(旧版)科学的根拠に基づく 褥瘡局所治療ガイドライン | Mindsガイドラインライブラリ (jcqhc.or.jp)

 

3)中島房代,豊田恒良:体位変換の時間を2時間以上とした症例の検討.日本褥瘡学会誌,2003;5(1-1):37-41.

 

4)日本褥瘡学会学術教育委員会:褥瘡発生要因の抽出とその評価.日本褥瘡学会誌,2003;5(1-2):136-149.