理学療法士として働くサメ

理学療法士として勉強したことをまとめていきたいと思っています!

リンパ浮腫 皮膚の解剖 リンパ浮腫研修 E-LEARN(厚生労働省後援)の復習...②

 

リンパ浮腫 #皮膚の解剖学 #リンパ浮腫研修 E-LEARN

#リハビリ #理学療法

 

お疲れ様です!フカヒレです!

 

今日もリンパ浮腫についての復習をやっていきます。

リンパ浮腫の理解に欠かせないものといえば...

 

解剖・生理 ですよね🙄

 

今日は皮膚の構造と働き

についてまとめていきますよ!

 

皮膚の構造と働き

・そもそも皮膚ってどのくらいあるの?

 ⇒成人で約1.6㎡,体重の約16%と言われています。

  和室にある畳が1畳で1.62㎡以上と言われているので皮膚を広げると

  そのくらいあるみたいです。

  体重の約16%も驚きですね!60kgなら9.6kgに。

 

・3層からできている

 ⇒表皮:重層扁平上皮(薄い細胞が積み重なってできた上皮)からなり,

     5層にわかれています。

     ①角層②透明層(手のひらと足裏のみ)③顆粒層④有棘層⑤基底層の5つ。

     表皮の一番深い層である基底層で新しい細胞が作られ,徐々に表面に

     押し上げられ,角層となります。

     その後は皆さんご存じの垢となって剥離していきます。

     この流れ...ターンオーバーというやつですね😳

  

  真皮:表皮の数倍~数十倍の厚さをもつ層です。

     コラーゲン線維網に弾性線維が混在し,

     血管網・リンパ管網・神経があります。

     浅在性のリンパ管は皮膚の真皮にあります。 ←テストに出ます(笑)

     

  皮下組織:脂肪組織を多量に含む疎性結合組織からなります。

       脂肪組織からなるのでイメージ通り衝撃を和らげるクッションの役割や

       断熱・蓄熱といった保温機能,エネルギーを脂肪の形で蓄える役割があ

       ります。

 

・皮膚にはどんな働きがある?

 ⇒①体を保護

   外力から体の形を維持するために皮膚は強靭であり,

   なおかつ運動を行うために柔軟性にも優れています。

 

  ②水に対するバリア

   外から水が体内に侵入するのを防ぐ。

   また,体内の水分が体外へ漏れ出すのを防いでいます。

   体表面積の30%以上の損失でショックに陥るとのこと。

 

  ③体温調整

   汗の量の調整や皮膚の毛細血管の弛緩,収縮により保温と熱の放散を行います。

 

  ④微生物に対するバリア

   レンガのようにきっちりと組み合わされた角質層と表皮層が,

   病原体の通過を許さず守っています。

   皮膚表面を弱酸性に保つことで,病原体の繁殖を防いでいます。

   汗には,リゾチームという殺菌酵素も含まれているとのこと。

 

  ⑤塩の排泄

   1時間に2~3Lの汗を分泌することも可能。汗は水が大部分だが,

   カリウム,ナトリウム,塩素,尿素,乳酸などを含んでいる。

 

  ⑥ビタミンDの合成

   世界中のほとんどの人がビタミンDの所要量のうち少なくとも一部を

   日光曝露によって得ている1)とのことです。

 

  ⑦感覚器

   痛覚と温度覚は自由神経終末で受容され,

   触圧覚はルフィ二小体,メルケル(触)盤,マイスナー小体,パチニ小体,

   毛包受容器により受容される。

 

・皮膚の色から病気が分かる?

 ⇒黄色:黄疸

  青黒い:チアノーゼ

  青白い:貧血  などなど

 

では...皮膚とリンパ浮腫との関係は??

 先ほど書いたように皮膚の真皮にはリンパ管が通っており,リンパ浮腫は皮膚や皮下組織に水分量が増加することから皮膚の観察・触診は早期発見にも重要です。また,セラピストの手技を用いるリンパドレナージも皮膚を介して行われるため,皮膚の理解は重要となってきます。

 皮膚の乾燥や不衛生,外傷により皮膚のバリア機能が破綻すると感染症を生じ,リンパ浮腫の増悪リスクとなります。丹毒や蜂窩織炎などの急性細菌性皮膚軟部組織感染症を予防するスキンケアや外傷に気を付けることはリンパ浮腫の治療でも重要事項です。

 

まとめ

 皮膚の真皮にはリンパ管が通っており,皮膚のバリア機能が破綻することはリンパ浮腫の増悪に繋がってしまう。そのため外傷に気を付け,皮膚のスキンケアを指導していくことを担当セラピストは知っておくべきです。

 

【参考・引用文献】

1)Institute of Medicine, Food and Nutrition Board. Dietary Reference Intakes for Calcium and Vitamin D. Washington, DC: National Academy Press, 2010.